谷川山系馬蹄形縦走 1  H19 08-24

 馬蹄形縦走をするには、左回りで白毛門から登った方が、後半に逃げ道が幾つかあるので安心です。よほど体力に自信があれば別だが、白毛門の下りは、膝の負担が大きくなります。
 一日での馬蹄形縦走は、すでに二度失敗している。 昨年は水不足、先月は時間不足、今回は、水場も確かめ早起きをして三度目の挑戦となる。
 今年の夏は異常なほど暑い、上越国境2,000m級の山では涼しさも感じられないそうだ。
夏の終わりには、蓬峠付近の笹も刈っているようなので、猛暑も一段落し、まだ日が短くならない今頃が、今年最後のチャンスだろう。
 日が登る前の涼しい内に、松ノ木沢の頭まで登り、日が暮れる前に西黒尾根を下れば暑さをしのげるかも? うまく行けば、14時間で周る予定でした。




山歩き行程 (写真を撮りながらなのであくまで参考です)
土合駐車場 -1時間48分-松ノ木沢の頭休憩19分-39分-白毛門山頂
休憩8分-52分-笠ヶ岳山頂休憩10分
-1時間09分-朝日岳山頂
休憩13分-1時間38分-清水峠休憩11分-48分-七ッ小屋山休憩7分-39分-蓬峠
休憩15分-46分-武能岳山頂
休憩9分-1時間25分-茂倉岳山頂休憩6分-17分-一ノ倉岳山頂-58分-
谷川岳トマノ耳-45分-ラクダのコル-1時間21分-西黒尾根登山口-21分-土合駐車場  
全歩行工程(土合登山口-土樽) 15時間04分 
白毛門登山 H19  8月24日
枠のある写真は、はクリックすると少し大きくなります。

山行図はこちら

馬蹄形縦走2へ進む

谷川岳 トマノ耳標高1,963.2m
白毛門山 標高1,720m
笠ヶ岳 標高1,852.1m
朝日岳 標高1,945.3m
七ッ小屋山 標高1,674.7m
(単独行)
武能岳 標高1,759.6m
茂倉岳 標高1,977.9m
一ノ倉岳 標高1,974.2m
谷川岳 オキノ耳標高1,977m
山域別記録
日付順山行記録

蓬峠    12:48   

 先月と同じペースに追いついて、蓬ヒュッテに到着。
小屋番さんや登山者も、だれもも居ません。
先月Mさんと歩いた時には、宿泊者や休息の人が沢山いてにぎやかだったのに・・・
 一人ベンチに腰掛て、昼食の「冷やしたぬき」を戴きます。
夏は麺類が一番美味しい。タップリ水を飲み休憩。
今度こそは、下山せず馬蹄形縦走を完結せねばなるまい。
たった15分休んだだけだが、気合を入れて登りモードに気分転換。

HOME

土合 東黒沢登山口   4:07 

 家を3時に起き、コンビニに寄り土合駐車場に着いたのが4:00、車が数台、テントが一張どうも起してしまったようだ。
 ヘッドランプを点け、熊よけのラジオを鳴らし林に入る。
朝なのに風が無く意外と涼しくない。これで日が昇れば大変だ!
 水分3.5リットル、着替えとカメラ、いつもより多い食料、ザックが重いぞ。

登山口から1,000mを一気に直登しなくては!

松ノ木沢の頭   5:55

 朝日が昇り、山が輝きます。
南の方は雲が多い、日差しが少ない方が暑くなくて良いのだが、景色はいまいち、遠くが良く見えない。
白毛門は見えているのだが、その先はどうだろう。
 ラジオやライトをしまい、朝食のおにぎりとパインジュースで腹ごしらえ。
ついでに早くも着替えます。
 谷川岳頂上は多少の雲がある。
予報では、一日晴れマークだったのだが、上越国境は別物なのだろうか?

松ノ木沢の頭より谷川稜線 茂倉岳への登りは長そうです。

谷川岳

白毛門山頂  6:53

 谷川岳は、いっそうにガスの中。
山頂にはソバナが一株、垂れ下がって咲いていました。
笠ヶ岳と大烏帽子が、並んで見える。
しかし南の武尊、赤城はまったく見えず、縦走をするにしても眺望が良いと無しでは気合がまったく違うもの。
ガスが取れることを期待しよう。

ヒノキのウロ   5:05 

 途中でヘッドライトを付けた先行者が一人、清水峠で泊り、大源太山へ行くそうです。
同じような仲間がいてホッとする。
余裕で到着しそうですが、こちらは馬蹄形なので先を急ぐ。

 此処までの樹林帯歩きが一番辛い、まして暗闇だ!
慣れた道とは言え、薄気味が悪い。

朝日岳へ  

 鋸状のピークを登り下り、先はまだ長い。
山と高原地図には、1:15とあるが、どうももっと掛るはずだ。
 白毛門から朝日岳は見えないので、此処を頂上と勘違いをして、気軽に来ると大変な事になるかも?

笠ヶ岳山頂より蓬峠

笠ヶ岳山頂より清水峠

朝日岳へ  

 あれが朝日岳、もう少しだ。
 この辺りから朝日岳までは、お花畑のようです。
シモツケソウ・ミヤマコゴメグサ・ミヤマゼンコ・ヒメシャジン・イワショウブウメバチソウ・オヤマリンドウ・ミヤマコウゾリナ・コガネギク他、夏から秋の花が沢山まだ咲いていました。

朝日ヶ原   

 朝日岳北側湿原
木道が整備され歩きやすいが、花は
キンコウカもお終い。
 誰とも会わず、寂しくただ先を急ぐだけ。
高度があるで涼しいのだが、強い日差しが後ろから照りつける。
さてこのままで、馬蹄形縦走は出来るのだろうか?
不安は脳裏をよぎるが先を急ぐ。


朝日岳から清水峠 

ジャンクションピーク  9:50

 下はガスが巻いている。
谷川岳、巻機山も見えず晴れているのは此処だけだろうか。

 見透視が利かないここを下るのは、気が引ける。
此処で杖を忘れた事に気付くが、取りに戻ると縦走をあきらめる事になる。
しかし杖が無いのに下るのはきつそうだ。


笠ヶ岳山頂   7:53

 新しい標柱が眩しい。
谷川岳が見えれば絶景なのだが、先月Mさんと出会った時よりガスが少ないので、良しとしますか。

 望遠で蓬ヒュッテと清水峠の小屋を確認できました。
重いけど、手ブレ防止の18-200ズームが活躍です。

清水峠を振り返る

 むわっととした、草息れの中で一息つく。
急坂を一登りした所で、朝日岳山塊を振り返る。
まだまだ半分も歩いていない、七ッ小屋山も遙か先、三度目の道だが景色が良いのと裏腹に、気温が上がり辛い時間だ。

七ッ小屋山頂  12:02  

 七ッ小屋山頂には、蓬新道より清水峠をピストンした方が先到着していた。
写真を撮ってもらい、パンと水を摂っただけで、昼食はこの次の休憩にする。

朝日ヶ原   

 左下に3つ池を通り過ぎ、この先のピークを過ぎ、後はただ下るだけ。
残雪はすっかり消えました。
地図にはお花畑とあるが、だいぶ遅くまで雪があり、いつ花が咲くのでしょうか。

清水峠     11:03

 絵葉書のような景色です。まるで外国のよう!

 先月は、12:38に到着、今日は11:03、1時間35分早いが、登り始めは2時間前だ、だいぶペースが落ちている。
やはり一人で歩く方が、ゆっくりになるのかも知れない。
休憩時間を削ってでも、先に進まなくては。


 奥がJR送電線監視小屋、手前がJR白崩避難小屋。

馬蹄形縦走2へ進む

HOME

ご意見ご感想は

画像掲示板

蓬峠から武能岳 

土合分岐    13:06   

 左へ下ると旧道や新道を経て土合に出ます。
10分ほど下れば、沢の水も飲めます。
昨年は、暑さと水不足で新道を下ってしまった。
今回は朝日岳で補給したので、まだ2リットル以上残っている。水があると心強いものだ。
 約200mの登りの、これより先は、まだ歩いた事のない未知の登山道です。

武能岳へ   

 一山越えてまた一山、この山が武能岳だ。
だんだん険しい、谷川山系らしい山容になって来ました
途中山肌出たすべりやすい場所も、数箇所ありました。

清水峠の笹原
谷川岳
七ッ小屋山から蓬峠 
七ッ小屋山登山道より
七ッ小屋山
大源太山
清水街道

朝日岳-清水峠間   

 3分の2ほど降りたろうか。
清水峠に近くなると、上り下りが少しあります。

此処を登り、池ノ窪に下り、また鉄塔まで登り、降りた所が清水峠。
 林の中で枝を拾い杖にする。 
具合は良くないが、無いよりマシだ。

七ッ小屋先から大源太山    

 此処から見た大源太山が、東斜面が切り立って一番形が良く見える。
昨年Sさんと旭原方向からピストンしたのが、思いだされます。
この次はぜひ、謙信ゆかりの道も歩いてみたい。

シシゴヤノ頭分岐 12:38    

 この少し先が蓬峠、誰か休憩している方がいるでしょうか。
 右が謙信ゆかりの道、シシゴヤノ頭を経由して、大源太山登山道と合流します。
こちらは、刈払いが行なわれていません。

笠ヶ岳へ 

白毛門山-笠ヶ岳間  

 一ノ倉沢が良く見える、一番好きな場所です。
山頂のガスは余計に厚くなってきた。
手前のナナカマドは、秋になれば綺麗に赤くなるでしょう。
 日が昇り暖かくなると、体温を上げるためにヘビが登山道へ顔を出します。
マムシ・ヤマカカシ・シマヘビを確認!
特にマムシには気を付けてください。逃げません!

ガスの谷川岳

七ッ小屋山登山道より大源太山 

 上越のマッターホルンと呼ばれる大源太山
秋になればこちらにも登りたいのですが、縦走となると交通手段が問題です。

七ッ小屋山先から朝日岳    

 東の朝日岳方面が良く見えます、右端の白毛門からジャンクションピーク、よく歩いたもんだなあー。
 昨年下った、湯檜曽川沿いの新道も見えました。

 笹原も刈り込んであり、先月と違いだいぶ歩き易い。
先月の藪漕ぎは、嘘のようです。
平坦な道なので、この分ならペースを上げられるだろう。

武能岳山頂 13:49   

 武能岳を登り切ったが、谷川方面はガスで見えず。
下から登山者が上がって来るので、急坂が危険なので山頂で待つことにする。
蓬ヒュッテに向うと言う、やはり谷川岳はガスが巻いているそうだ。
 写真を撮ってもらい、最後の急登茂倉岳へ向う。
約100m急降下し、続いて400mの上り返しだ!

七ッ小屋先から大源太山

朝日岳山頂より360° 晴れていますが山は皆雲の中。

笠ヶ岳を振り返る

 追い越した人はまだ頂上に登ってこないようだ。

 鞍部のお花畑にキスゲ群落は既に無し、ハクサンフウロが少し残っていただけでした。
谷川岳とキスゲがあれば、素晴らしい写真になりますが、また来年来る事にしよう。

朝日岳山頂   9:12

 朝日岳に到着。
お地蔵様の向こうには、谷川岳がガスの中です。
ゆっくりしたいのですが、少し口の中に食べ物を入れ、水場は直ぐそこなので、十分に水を飲みました。
 水分補給には、パインジュース・レモン飲料・コーラ・お茶と凍った水がペット3本。
計3.5リットルと食料4食分、着替え3枚タオル3本を持ち上げている。

これで大量に汗をかいても、十分だ。

朝日岳より笠ヶ岳方向

 武能岳から七ッ小屋山までは、ガスのが取れました。
蓬峠から先は、初めてなので良く見ておかなければ。
 下は大倉沢、大倉尾根にもかつて道があったと言う。

笠ヶ岳を振り返る

宝川温泉分岐  

 水場は、宝川分岐先2分のこの場所です。
空のペットボトル3本補給で1.5リットル汲みました。
石の隙間から、だいぶ多く流れ出しているので土の臭いは感じません。 お勧めです。
 私は喜んで水を飲んだら、杖を忘れていました。

蓬峠を振り返る    

 笹原のずっと下に、黄色く目立つ蓬ヒュッテ。
向こうには、尖った大源太山となだらかな七ッ小屋山。
 だんだん雲が掛ってきました。
快晴なら素晴らしい光景だったのに、残念!。


朝日岳の地図

武能岳へ   

 2つ奥の山が、武能岳のようだ。
ヨツバヒドリ・ハクサンフウロ・ミヤマトリカブト等咲いている
武能岳からは、藪刈りがされていなくて、大分歩き難い。
一登りして一息。
 谷川方向は、逆光なので上手く写りません。


笠ヶ岳へ  

 青空に笠ヶ岳・小烏帽子、晴れ上がっているのはこの方向だけ。
 日が後ろから照り付けてきたので、帽子を反対にかぶり、首を保護します。

朝日岳へ 

笠ヶ岳避難小屋より  

 手前から小烏帽子・大烏帽子・ずっと奥に朝日岳。
先月のお花畑はどうなっているだろうか?
今日は、写真を撮るのは少し自重してスピードを上げなければなるまい。

朝日岳-清水峠間より北方向

巻機山
清水峠から七ッ小屋山 

清水峠 分岐

 左が旧道に下りて土合です。
此処の水場は、土が混じり美味しくないので、パス。
 右が謙信尾根コース、増水時こちらに行くと、渡渉が困難となります。
 正面から見るとなだらかですが、これが意外と急なのです。
ずっと降っているので、登坂モードに体が慣れるまできついのです。
おまけに標高が低いのでとても暑い!水分補給が多くなる。
暑くて喉が渇くと、スカッと爽やかコーラが美味い。

今年の夏山には、コーラが欠かせなくなってしまった。

七ッ小屋山手前  

 七ッ小屋山への登りも辛いのだが、大源太山分岐近くからはゆったりした登りになる。
花もコガネギク・ヨツバヒドリ・シモツケソウ・ミヤマコゴメグサ・ミヤマゼンコ・オニアザミ・ノリウツギなど。
 大源太山分岐路からも、草深い場所は、刈り払われていました。
 ノリウツギの咲いている向こうに、シシゴヤノ頭が見えた。

七ッ小屋山を振り返る    

 湿原から振り返ると、さっきの人は、まだ頂上にいるようだ。
湿原に花は無いが、この辺りが、景色も良く見えるので気持ち良く歩ける。

 もう少し人に会うと思ったのだが、暑さで縦走を敬遠しているのだろうか?
あまり登山者が少ないのも寂しいものだ。